Alvar Aalto アルヴァ アアルト  
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  アルテック社はアルヴァ・アアルトがデザインした家具,照明器具,ファブリックを製造・販売するために1935年設立されました。すぐれた日用品の製造を長年続けた実績により,アルテックは 世界に知られるデザイン・ブランドとなりました。建築家アルヴァ・アアルトは1930年代以来, 「人間に身近で自然とのふれあいを大切に」との主張にもとづき,機能的な建築スタイルとインテリア・スタイルを生み出しました。彼の妻アイノは家具の考案にも,夫婦の住まいの内装にも積極的に加わりました。夫婦がつくった美しく実用的な家具は,流行に左右されることもなく,今もなお世界中で高い人気を保っています。

アルテックは「Art」と「Technology」から合成された語です。当社は1935年に発足しました。設立者は,「デザインが日々の暮らしを変える力を持つ」と信じる夢多き建築家アルヴァ・アアルトを中心とする4人の若手フィンランド人です。1938年にニューヨーク近代美術館に展示されたアアルトの木製家具は、現代デザインへの最も独創的で重要な貢献の一つ,と評されました。  
“美とは用途とかたちが調和したもの” -アルヴァ・アアルト

アルヴァ・アアルトのデザイン哲学はモダニズムに人間の心をもたらすものでした。美しい家具が実用品として使われるためには,規格化と工場生産によって安価に提供されるべき,との斬新な理想をアアルトはみずから実践しつつも,一方で「機械化時代」にともなう非人間性への反発として,モダン・デザインに人間の視点と自然素材を持ち込みました。機能主義を有機形態にくるみ,彫刻的シンプルさをきのぬくもりと融合させることとによって,アアルトの家具によくなじみ,フレキシブルな現代の暮らしをかたちづくる総合的なインテリア環境とうまく調和するのです。


アルテックが世界各地で称讃される理由は創意をこらしたデザインにあります。アアルトは,彼の動的なデザインが求める画期的な構造と流麗な有機形態を実現するために,木を曲げ,継ぎ合わせる新しい方法を考案しました。アアルトは,家具は建築の自然な延長であると考え,家具の脚を“柱の妹分”と形容しています。古代建築の三つの柱頭様式に触発された彼は,制作途上にあった家具の脚をそのスタイルに変えたこともあります。アアルトのオリジナル作「L脚」は,彼に言わせると,家具デザインにおける最も重要な発見です。L脚に続いて,すらりと優雅なY脚,さらに扇をかたどったX脚も開発されました。X脚をアアルトは,ある若い女性のプリーツ・スカートからヒントを得た,と語っています。それらの脚はモジュール化され,さまざまなスツール,チェア,テーブルに使われています。アルテックは官公庁からオフィス,美術館,学校,ホテル,一般家庭と,あらゆる場面に対応できる総合的な家具システムです。今日,当社の製品は50種類を越えます。今なお新鮮な「スツール60」,各種の会議テーブル,ダイニング・チェア,「タンク」の異名を持つアーム・チェア,あるいは「長イス43」,そして数多くのバリエーション…。この多彩なコレクションによって,どんな建築にも適切に家具類をアレンジできるのです。

アルテックが高い評価を受けている理由は,スタッフ全員がクオリティーと継続性とにこだわり続けているからです。その製品は今も,アアルトの長年の技術協力者オットー・コルホネンが建てた工場でつくられています。工場に近い森は家具材として欠点のないフィンランド産のバーチの供給源です。製造過程の多くは機械化が進められ,アアルト時代に比べてより堅牢で精密な加工がなされています。とはいえ仕上げ行程は, 一品一品のクオリティーを保つために,やはり人の手に頼っています。1930年代に納品されたテーブルやチェアが,これもアアルトの製品の息の長さと,経年変化を見越したモノづくりへの賛辞と言えるでしょう。数十年前に購入された商品であっても交換部品を供給できるだけのサービス・ポリシーも,継続性を支える大切な要素です。

“フォルムは,表現をこばむくせに人々に喜びをもたらす,不思議なもの”
   アルヴァ・アアルト

20世紀デザインへの多大な貢献を認められ,実際に世界有数の建築デザイナーたちから長い人気を博しているという事実。それはアルテックが,モダンさと汎用性と人間の心を求めたアアルト家具の根源的な要素を保ち続けていることのあかしと言えるでしょう。